今年もハクトウワシが道東に飛来していると聞き、週末の3日間を利用し、道東に行ってきました。
ハクトウワシは主に北米に生息していて、ほとんど日本に来ることはありませんが、ごくまれにアリューシャン、カムチャツカ、千島列島を渡って飛んでくることがあるようです。

ハクトウワシ(アラスカ沿岸部)
日本で見られる大型のワシ類は、オオワシ、オジロワシ、イヌワシです。イヌワシは主に山岳部、オオワシは渡り鳥で冬の北海道、オジロワシは通年北海道で見ることができます。オオワシの中には、毎年、滋賀県湖北地方で越冬する「山本山のおばあちゃん」の名で知られている個体がいます。
冬期の道東はとても魅力的です。タンチョウが給餌を行っている鶴居村に集まっており、また野付半島で氷下待ち網漁が行われ、釧路川に蓮葉氷ができる時期です。オオハクチョウも飛来しています。
また自然が豊かな道東は通年楽しめる要素があります。遠音別岳原生自然環境保全地域、釧路国立公園、阿寒摩周国立公園、知床国立公園、網走国定公園があり、近々国定公園になる厚岸道立自然公園、砂嘴地形が特徴的な野付風連道立公園、斜里岳道立自然公園などの自然保護区があります。濤沸湖、野付半島・野付湾、阿寒湖、風連湖・春国岱、釧路湿原、霧多布湿原、厚岸湖・別寒辺牛湿原がラムサール条約湿地に登録されています。
歯舞諸島や国後島が見え、納沙布岬や尾岱沼には北方領土に関するモニュメントが建てられています。海の幸が豊富で、カニ、いくら、ウニ、サンマ、シマエビ、ホタテ、カキ、昆布、氷下魚、ニシンなどが有名です。羅臼や歯舞の昆布、昆布森のウニ、厚岸のカキなどのブランド商品が多数あります。酪農関係も有名です。
自然が豊かで、食べ物がおいしい地域です。冬場の北海道と聞くと、猛烈な吹雪をイメージしてしまいますが、釧路地方は、もちろん雪も降りますが、それほど雪深い地域ではありません。冬期は空気が乾燥し、気温が氷点下(内陸部では氷点下20度になることもある)、晴天の日が多くなります。
Day 1
関西空港から釧路空港へピーチで飛びました。コロナ禍でしたが、一定の乗客が搭乗していました。釧路空港到着後レンタカーを借り、雄阿寒岳、雌阿寒岳、阿寒富士、釧路湿原をみながら30分強のドライブで鶴居村に移動しました。鶴見台、伊藤サンクチュアリに多くのタンチョウが集まっており、鶴見台ではオオハクチョウも来ており、上空をオオワシが飛んでいました。鶴居村の村議の佐藤さんが、かわいい犬(保護犬だったとこと)をつれて散歩しており、タンチョウの話、自然環境や動物、鶴居村の移住状況などをお話しいただきました。その後釧路市に戻る途中、民家の玄関前にタンチョウが2羽でたたずんでいた光景には驚かされました。夕食はぶた福さんで山盛りの豚丼を頂き、釧路市内のホテルに宿泊しました。

ぶた福さんの豚丼
Day2
午前5時半に起床し、窓から釧路川を覗くと蓮葉氷が浮いていました。午前6時にホテルを出発して野付半島のネイチャーセンターに向かいます。約2時間半、道には雪もなく、快適なドライブでした。途中雪原をキタキツネがひょこひょこと歩いていました。
午前8時半に野付半島につき、車で半島を走っていると、野付湾(尾岱沼)が凍り付いて白い氷原が広がっていました。エゾジカの家族がその氷原を渡っており、写真を撮るために車をとめたところ、こちらを向いてくれました。野付半島は砂嘴で、右に凍り付いた野付湾、左に根室海峡をみながらネイチャーセンターに向かいます。いつもであれば国後島や羅臼岳など知床連山が見えるのですが、この日は曇って雪が降り始めており見えませんでした。野付半島の狭い場所は50mほどしかないとのことで、オジロワシやオオワシがいればすぐに見つけられます。今回は半島では3羽のオオワシと2羽のオジロワシを見つけることができました。

エゾジカの家族

強風で波が泡立っています
午前9時にネイチャーセンターが開き、氷下待ち網漁見学ツアーに5,500円で申し込みました。雪が降り、風が強くなってきたので、防寒着や長靴をかりてツアーに参加しました。スノーモービルで移動し、氷下魚をとる氷下待ち網漁を見学し、帰りに三本松でオジロワシの巣をみてきました。ツアー終了後、氷下魚を食べさせていただき、歯舞昆布などをお土産に購入し、再度半島にワシを探しに行きました。半島にはエゾジカは常にたくさんおり、この日は風が強かったので、家の陰やくぼみなどで風を避けているシカが多くいました。海岸沿いにいたエゾジカは、角に漁網が絡まっており、目を凝らしてみると2頭のエゾジカが漁網に絡まっていました。2頭はやりづらそうで、残りの2頭も心配そうに見ていました。ネイチャーセンターに戻って伝えましたが、すでにネイチャーセンターでも把握しており、どうしようもないとのことでした。残念なことです。野付ではハクトウワシに会えませんでした。
別海町尾岱沼港の「食事処白帆」でホタテのてんぷら丼を頂き、知床方面に向かいました。知床方面に向かう途中、海岸沿いを走っていくのですが、天気が良くなってきて、知床連山や国後島が見えてきました。海岸沿いの木々を見えていると、ところどころに黒い影が見えます。ワシです。車を止めてみてみると、オジロワシやオオワシが一緒に木にとまっていました。羅臼町までの1時間、数か所で10羽程度のオオワシとオジロワシを見つけることができましたが、ハクトウワシはいませんでした。羅臼町の松法港につくと、堤防にたくさんのオオワシとオジロワシがとまっており、海で魚を捕まえては山などに運んでいき、食べていました。しばし車をとめてワシたちの行動を見ていましたが、ハクトウワシはいませんでした。

オオワシ(写真上部)
オジロワシ(写真下部)
羅臼の知床国立公園ビジターセンターに行き、国立公園やハクトウワシ、オオハクチョウ、シマフクロウ、登山、などいろいろ情報を伺い、意見交換をさせていただきました。野付からは見えなかった羅臼岳も、羅臼町からは見ることができ、雲が羅臼岳を駆け上っていく姿に感動しました。相泊方面にもハクトウワシを探しに行きましたが、いるのはオジロワシとオオワシばかりでした。キタキツネもいました。

夏のキタキツネ(相泊)
その後海岸沿いのオオワシ、オジロワシを見ながら、尾岱沼まで戻ってきました。尾岱沼では白鳥台でオオハクチョウを探しましたが、白鳥台はまだ完全に凍っており、オオハクチョウはいませんでした。周辺の海や河口部にオオハクチョウを見つけることができましたが、期待していた数千羽が集まっている景色は見ることができませんでした。

海に浮かぶオオハクチョウ
厚岸に戻り、「喜州寿司」で夕食を頂きました。大将と奥さんの2名で営んでいるお店で、コロナのためにお客さんも少なく、ゆっくりと道東の海鮮や観光のことなどを伺いながら、お寿司を頂きました。御坊の紀州美人という日本酒を以前積極的に扱っており、御坊市にも行ったことがあったそうです。鱧の寿司、なめこの軍艦、数の子をばらいたバラコの軍艦など、かわったお寿司もいただきました。最後に昆布の味噌汁を頂き、2時間半、ゆっくり会話をさせていただきました。

イクラとウニのお寿司

エビと白身魚のお寿司
Day3
今回は、ハクトウワシを見つけられませんでした。1羽しかきていないそうで、広い道東で見つけるのは無謀であったと思いますが、多くのオジロワシ、オオワシ、オオハクチョウ、タンチョウを見ることができ、エゾジカやキタキツネにも出会えました。ホテルの部屋から釧路川を覗くと、今日も蓮葉氷が見えました。
午前9時にチェックアウトして、鶴居村にタンチョウを再度見に行きました。伊藤サンクチュアリではタンチョウの求愛ダンスだけでなく、珍しい交尾の様子も見ることができました。

タンチョウのカップル
鶴見台でもタンチョウの求愛ダンスやオオハクチョウをゆっくり見て、恩根内ビジターセンターを訪問し、おしゃれなホテルでランチを頂きました。窓の外を見るとゆったりとした足取りでキタキツネが歩いてきました。

この窓から見える雪原にキタキツネが姿を現しました
最後にもう一度タンチョウをみて、空港に向かいました。レンタカーを返し、釧路空港から関西空港に飛行機で移動し、今回の旅は終わりました。目的であったハクトウワシは見られませんでしたが、大変充実した旅になりました。やはり道東は自然が豊かな素晴らしい場所でした。
見ることができた野生動物数
- ハクトウワシ 0
- オオワシ 36
- オジロワシ 42
- タンチョウ 100以上
- オオハクチョウ 28
- エゾジカ 32
- キタキツネ 3