八経ヶ岳は近畿最高峰の1914.9mで、大峯奥駆道のハイライト峰の一つです。深田久弥氏の日本百名山では八経ヶ岳山頂が大峰山として記録されています。八剣山(はちけんざん)、仏経ヶ岳(ぶっきょうがたけ)とも呼ばれます。

八経ヶ岳山頂
八経ヶ岳の北方歩いて30分のところには、弥山(みせん、1,895m近畿2位の高さ)があり、八経ヶ岳の南方歩いて30分のところには明星ヶ岳(みょうじょうがだけ、1,894m近畿3位の高さ)があります。これら三峰は奈良県吉野郡天川村と上北山村の境に位置しています。
弥山には神社がまつられ、立派な山小屋と避難小屋が建てられていました。弥山や八経ヶ岳からは、山上ヶ岳、稲村が岳、大普賢岳を臨むことができます。大台ケ原も見えます。
2週間前に大普賢岳から見た際は、どれが行者還岳(ぎょうじゃかえりだけ)なのかが不明でした。行者還岳は、大峯奥駆道を切り開いた役行者を還したという話があるようですが、そんなに大きな岳ではなく、そんなに厳しそうでもありません。大普賢岳の方が見た目が厳しそうで、ネットでは大普賢岳を行者還岳と紹介しているページもありました。
大峰山脈は、日本で最初に選定された12の国立公園のひとつ、吉野熊野国立公園に指定されています。弥山~八経ヶ岳~明星ヶ岳付近の稜線部分は特別保護地区に指定され、厳正に保護が図られています。八経ヶ岳付近には国の天然記念物に指定されている地域が2か所あります。シラベ純林およびトウヒ林を含む仏経嶽原始林(ぶっきょうがたけげんしりん)が1922年に、オオヤマレンゲ自生地が1928年に天然記念物に指定されています。
また大峰奥駆道は、熊野古道や高野山とともに2004年にユネスコの世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」に登録されています。

オオヤマレンゲ(写真:文化庁HPより)
2021年4月下旬、4名で行者還トンネル西口駐車場から、八経ヶ岳まで7時間40分でピストン往復しました。曇り時々晴れ、寒くない日でした。
和歌山駅を朝7:00に出発し、2時間半程度ドライブして行者還トンネル西口に到着です。行者還トンネルに向かう道は狭く、小さい落石も多数ありました。八経ヶ岳はアクセスが良くないときいていましたが本当でした。途中、みたらい渓谷という美しい渓谷があり、水も透明できれいでした。川迫川上流には川迫ダムがあり、川迫ダムは土砂で埋まってしまっていました。
行者還トンネル西口には、数十台停めることができる駐車場があり、管理人のおじさんがいて1,000円支払います。登山届を出して登山開始です。2分ほど歩くと橋があり、川を越えて上りが始まります。鎖場や鉄梯子はないですが、急な登りが約1時間続きます。休憩しながらゆっくり登っていき、大峯奥掛道に出合います。看板には出合から弥山まで約2時間とあります。
大峰奥駆道に出合った後は、弥山にむかって縦走します。阿弥陀森(弁天山)を越え、役行者の像を横目に見ながら、弥山のふもとにつき、弥山山頂を目指して上ります。普賢岳のような急な場所や鎖場はなく、階段が整備された道を上り、12:40弥山着です。山小屋の屋根の水をためるタンクがあり、水を補給することができました。約1時間、神社のお参りやランチ、コーヒータイムをとり、八経ヶ岳に向かいます。100mほど下って100mほど登り、約30分で八経ヶ岳に到着です。
八経ヶ岳からは大台ケ原、稲村ヶ岳、大日山、山上ヶ岳、大普賢岳・小普賢岳・文殊岳、和佐又山、行者還岳などを見ることができました。明星ヶ岳、弥山もそばに見えます。山頂で写真をとっているとシカが寄ってきました。
オオヤマレンゲはまだ咲いていませんでした。バイケイソウ(有毒)が芽を出していました。このあたりもシカの食害があるようで、樹皮が食べられてしまった木がありました。弥山~八経ヶ岳の間には、フェンスを張ってシカを入れない地域を設けていました。また風が強い時があったようで、トウヒ松などがなぎ倒されている場所がありました。下流のほうから徐々に上がってきたと思われる崩壊地があり、樹がギリギリのところで耐えていました。人が歩いた歩道に水が流れるようで、一部は深く掘られ裸地化していました。
14:20に八経ヶ岳を後にし、14:50弥山、16:35出合、17:10下山して沢で顔と靴を洗って水を補充して飲み、17:20駐車場に帰り着きました。管理人のおじさんはもう帰っていました。車で大淀町の来来飯店に向かい、夕食をたべ、20:30和歌山に帰着しました。

透明な水の川迫川

行者還トンネルと西口駐車場

最初の1時間程度は急傾斜を上る

役行者

バイケイソウ(有毒)

弥山へ登る階段

弥山山頂付近

1ヵ所だけ鉄階段があります

弥山山頂の神社

弥山からみた八経ヶ岳

風で吹き倒された森

下流から崩壊が進む谷

谷の先端の木

オオヤマレンゲ保全対策事業

八経ヶ岳山頂

山頂に現れたシカ

大普賢岳・小普賢岳・文殊岳

弥山の山小屋

シカの食害

歩道が深くなっている