ネパールの繊維産業

SDGs

2017年、2018年、2019年とネパールを訪問し、繊維産業を訪問させていただく機会に恵まれました。

ネパールは「アジア最貧国」と言われ、空港ビルも煉瓦で装飾されています。産業は、土木産業などの必須産業はありますが、主に農業や観光が中心で、あまり工業化は進んでいません。

繊維産業は、衣住食の基本産業ですが、ネパールではまだまだ工業化は進んでおらず、手作業での繊維製品作りがほとんどです。電気事情がよくないため、縫製工場でも足ふみミシンが利用され、織物も手織り、糸づくりもハンドスピンと、多くの工程でまだまだ手作業が中心です。

そのため、日本人見学者としては、繊維産業の昔の姿を見ることができるため、勉強になります。

お土産用ストールなどが、古い家の一室で手編みで編まれていたり、民家の一室でお土産用Tシャツにプリントされていたりしました。

住民の多くは、まだ伝統的な衣類を着ており、ブティック協会を訪問して意見交換をさせていただきましたが、協会員の皆さんが作っている衣服も伝統的な衣服が中心でした。刺繍のレベルは高いと感じました。

首都カトマンズで工業化を進めている工場を訪問させていただきました。全自動編み機があるときき訪問しましたが、Stoll社の中古機械を購入されて頑張っていました。

デパートの商品の多くは、インドや中国から輸入されています。また、ブティック協会の女性社長にお話を聞いたところ、布等の資材は多くはインドから輸入しているそうです。

ファッション専門学校も訪問しました。先進技術を勉強しているというものではなく、日本の家庭科の授業で利用されるような教科書を歴代生徒が利用し、10年以上前のファッション雑誌を参考に、学生たちはデザインなどを勉強していました。最新のファッション雑誌をプレゼントさせていただきました。学校でも足ふみミシンが利用されていました。

インドでも工場を訪問しましたが、2019年訪問時、ネパールの方が、インドよりもうひと昔前の時代の生産方法を感じることができました。

ネパールの首都、カトマンズの風景
街中の女性たち
ショップと、ショップの前で縫製する職人(インドからの研修生もいた)
Tシャツ工場:プリント機
Tシャツ工場:生地を裁断する機械
お土産ストール工場
工業化に取り組むネパールの工場