イシュケル国立公園は、北アフリカのチュニジア北部に位置する自然保護区で、地中海世界とサハラ以南アフリカを結ぶ生態系の交差点として知られている。
公園の中心にはイシュケル湖が広がり、周囲を湿地、草原、丘陵地帯が取り囲む。この湖は季節によって水位や塩分濃度が大きく変化し、冬には淡水が流入して湖面が拡大し、夏には蒸発によって縮小するという独特の循環を見せる。この自然のリズムが、多様な動植物の生息を可能にしている。
1980年にラムサール条約に登録された。同年に世界遺産ともなったが、1983年にJoumine Dam、1984年にGhezala Dam、1994 年にSejunane Damが建設され、湖への淡水供給が減少し、生態系への影響が懸念されてきた。1996年から2006年まで危機遺産リストに載っていた。国際的な支援のもと、保全と回復の取り組みが進められている。
水位と塩分濃度が季節ごとに二重に変化するという非常に特有の水理学的な仕組みをイシュケル国立公園は渡り鳥の重要な中継地として世界的に有名である。ヨーロッパからアフリカへ、またその逆へと移動する数十万羽もの水鳥が、冬になるとこの湖に集まる。ガン、カモ、フラミンゴなどが湖面を埋め尽くす光景は美しく、公園の象徴的な風景となっている。
イシュケル湖は、かつて北アフリカ全域に連なって存在していた湖沼群の中で、最後に残された大規模な淡水湖です。水位と塩分濃度が季節ごとに二重に変化するという非常に特有の水理学的な仕組みを特徴としています。

(補足)チュニジアは北アフリカに位置する共和制国家。日本の4割ほどの国土をもつ。地中海のリゾート地や多様な文化と遺跡、砂漠などがある観光地として知られている。
8月に訪問する機会を得ました。この公園には事前に林野庁の許可を取らないと入れないことになっています。事前にそのことを知らず、入り口で日本から来たこと、見学したいことを伝えたところ、無料で1時間の入場を許されました。
公園内には一部道路があり、その道路沿いには人も住んでいました。道路の終点にはMusee Geologiqueがあり、象やサイの像がおかれていました。
湖を見ると、フラミンゴらしきものが見えました。干上がった湖を15分ほど歩いて水辺まで近づきました。
オオフラミンゴが100羽以上が飛来していました。夕暮れ時だったので、オオフラミンゴは群れをなして飛び交っていました。以前はダム建設で塩分バランスが壊れたため、フラミンゴが激減した時代もあったようですが、今は回復基調にあるそうです。

遠くからでもオオフラミンゴがいることが分かった。

近づくと逃げていくオオフラミンゴ。

飛んでいるオオフラミンゴ。翼の雨覆羽は赤く、風切羽が黒い。

オオフラミンゴは、集団性が高くコロニーを作る。海上や湿地や沼地、海岸沿いの岩場や砂地などに生息。

列になって飛んでいくフラミンゴ。
ゾウやサイの像が設置されていた。(下の2枚の写真)
登録基準(x)
科学的または保全の観点から見て顕著な普遍的価値を有する絶滅のおそれのある種を含み、生物多様性の現地(イン・シチュ)保全のために最も重要かつ顕著な自然生息地を包含していること。

