熊野古道 伊勢路

SDGs

熊野古道伊勢路は、伊勢神宮から熊野三山へ向かう約170kmの道です。うち32.9kmは、断続的に、世界遺産紀伊山地の霊場と参詣道の構成資産になっています。

伊勢路の終点 速玉大社

紀伊半島には、「熊野三山」「高野山」「吉野・大峯」「伊勢」と深い信仰の対象となっている場所があります。伊勢路は伊勢と熊野三山を結ぶ道で、「伊勢に七度、熊野に三度」と言われた時代もあったようです。江戸時代はお伊勢参りの後に、伊勢路を通って熊野詣が行われたそうです。東海道中膝栗毛にも登場します。

貴族や天皇が利用して注目を浴びてきた和歌山側の道とは違い、伊勢路は庶民が利用した道と言われます。伊勢路には美しい石畳が残り、山岳景観から海岸景観まで多彩な風景が楽しめます。

馬越峠登山口を入ってすぐの石畳

世界遺産登録運動時、地域の盛り上がりは他地域よりも大きくなかったそうです。2004年に世界遺産に登録され、2007年に三重県立熊野古道センターが、尾鷲市にオープンしました。伊勢路最大の難所といわれる八鬼山峠越えの入り口です。センターは特定非営利活動法人(NPO)熊野古道自然・歴史・文化ネットワークが指定管理者になっています。

2020年5月、八鬼山峠越えをしようと伊勢路を訪問しましたが、コロナの真っただ中で熊野古道センターは閉鎖されており、駐車できませんでした。そこで行先を馬越峠に変え、道の駅海山に車を停め、歩き始めました。

道の駅海山から国道42号を上がること5分、馬越峠道の入り口です。ここにも3台程度停車できる駐車場があります。

駐車場から古道に入り、少し歩くと美しい石畳の道になります。尾鷲は日本でもトップクラスの多雨地帯です。山岳道は雨に弱く、崩壊していくことが多いですが、この道は水を逃がしながら石を並べ、長年の雨に耐えているようです。現代の石畳は江戸時代に整備されたもので、その下には鎌倉時代から室町時代に敷かれた石畳があるとのことです。

美しい石畳が続く

杉林の間を抜けて登る

杉並木の道を上り、一時間半程度で標高325mの馬越峠につきました。ここからは1時間弱で尾鷲市に下りることができます。峠から便石山(599m)や、天狗倉山(522m)に歩きに行き、景色を楽しむこともできます。

整備された峠

杉林

ふもとの尾鷲神社は大きな神社で、紀元700年ごろから1300年間以上続いているという説もあります。境内にある楠の木は胸高周囲が10m以上になり、樹齢も1000年以上と言われています。奇祭といわれるヤーヤ祭りが毎年2月1日から5日間行われます。

尾鷲神社の大楠

一名は峠から道の駅に戻り、一名は尾鷲神社に歩いておりました。1916年に国道にトンネルができるまで、峠道は生活道として利用されていたそうです。2004年の台風16号では、国道は通行止めになりましたが、馬越峠の熊野古道は無事でボランティアが歩いて超えたそうです。

熊野古道には、伊勢路、紀伊路、小辺路、中辺路、大辺路の5つの古道があります。中辺路は有名ですが、その他の道もそれぞれの面白さがあります。