FSC(Forest Stewardship Council®、森林管理協議会)は、適切に管理された森林を世界に普及させることを目的とする非営利団体で、国際的な森林認証制度を運営している組織です。ドイツのボンにあります。
1990年頃、国際的に加速する大規模な森林破壊とそれに伴う環境破壊や社会的問題、大気汚染、酸性雨等、様々な環境問題を世界の人たちが認識するようになりました。また国際社会においては、「持続可能な開発」が人類の現在及び将来の基本的課題であるとの共通認識が形成されました。森林が急速に破壊されている状況を背景に1994年、環境団体、林業者、林産物取引企業、先住民団体などが中心となってメキシコの法人として設立されました。
FSC会員は、環境NGOや社会問題に関わるNGO、森林管理組織、先住民族の団体、森林組合、加工業者や流通業者、小売業者、認証機関、個人の森林所有者など様々な個人や組織が入っています。

以下は、FSCのHPから抜粋しています。
FSCの変遷
- 1994年 メキシコの法人として設立。最初の認定製品「木製のへら」がイギリスで販売。
- 1998-1999年 FSC認証林の面積は1000万haに達する。最初のFSC認定およびラベル付け非木材製品として、「チューインガム(メキシコ)」が生産される。FSC認定紙を使った最初の本「A Living Wage」by Lawrence B. Glickmanが出版される。FSC認証サービスを提供できる認定機関は10機関に達する。
- 2000年 日本で初めて三重県の速水林業がFSC FM認証を取得し、その材を扱う木工所と製材業者が、CoC(加工・流通)認証を取得。
- 2001年 三菱製紙八戸工場が国内の製紙工場として初めてCoC認証を取得し、日本でFSC認証紙の生産が始まる。
- 2003年 FSC本部事務局がメキシコのオアハカからドイツのボンに再配置される。20,000のFSC製品が市場に出回り、認証森林面積は4000万haに達する。
- 2005年 Accreditation Services International GmbH (ASI)が設立され、FSC認定プログラムの管理・運営のための監視機関となる。FSC認証された熱帯林は1000万ha以上となる。
- 2006年 FSC管理木材(Controlled Wood)規格が策定。
- 2008年 FSC認証は79カ国において1億haに達する。
- 2009年 CoC認証が1万5000件に達する。
- 2011年 ラテンアメリカとアジア太平洋地域に地域事務所を開設。CoC認証が20,000件に達する。
- 2013年 FSC認証林の面積が1億8000万ヘクタール以上に達する。CoC認証が27,000件に達する。FSCの原則に基づいて先住民に正式な意見を表明するために、恒久的な先住民委員会が設立される。
- 2016年 リオオリンピック・パラリンピックの会場建設には、FSC認定を受けた多くの木材が使用された。さらに、何百万ものFSC認定製品が大会で使用された。インドネシアの労働組合員であるRulitaWijayaningdyahが、FSC国際理事会の議長に任命された(アジアで最初にこの地位に就いた女性)。
- 2019年 FSC認証林が1億9900万ha以上、CoC認証37,000件に達する。
FSCマーク
FSC認証製品は、家具や木工品、紙、本などの印刷物として世界中に出回っています。認証林から生産された非木材林産物には、蜂蜜やメープルシロップ、キノコ、ゴムボールなどがあります。プロジェクト認証では建物もあるようです。日本でもティッシュペーパー、食品の紙パッケージ、化粧品の紙パッケージ、パンフレットや企業の年次報告書、カレンダーなど、FSCマークを目にする機会が増えたように思います。

ティッシュ箱

ティッシュ箱

外国の環境系の本

化粧品
日本では、化粧品、食品、紙製品などにFSCマークが付けられていることがあります。商品の価格は、通常より割高になりますが、環境に配慮している証明として多くの商品に利用されています。
またFSCを取得する過程で、森林管理の現場では、先住民族など弱い立場にあった人々の声が、森林管理者に届くようになったところや安全面などの労働環境が大幅に改善されたという事例もあるそうです。FSCが生み出した高い保護価値(HCV)という概念も自然保護の分野で大きな影響を与え、パームオイルなどの他の認証制度にも広く使われるようになってきています。
認証の種類は2種類あります。
- FM(Forest Management、森林管理)認証
- CoC(Chain of Custody、加工・流通過程)認証
FM認証、CoC認証ともに有効期間は5年。認証を保持するためには、認証機関による1年に1回の監査に通らなくてはなりません。認証には1つの組織単独で取得する方法と、グループで取得するグループ認証、複数の拠点を含めるマルチサイト認証という方法があります。この他に、建造物や船、イベント会場などの一度しか作らないものに対するプロジェクト認証というのもあります。FM認証やCoC認証と違い、プロジェクト認証は1回きりのもので、有効期限がありません。
認証を取得するには
認証はFSCから直接発行されるものではありません。FSC認証サービスは、認定を受けた独立した第三者認証機関が提供しています。
FSC認証へのステップ
- 認証機関へのお問い合わせ
- 認証機関の決定
- 認証機関による審査
- 認証機関による認証判断
- FSC認証取得
国内の認証機関は6社。その多くは認定を受けた海外の認証機関の国内連携先です。詳細はFSCのホームページをご覧ください。