野付半島

SDGs

野付半島は日本では珍しい、根室海峡の流れがつくった全長約26kmの大規模な砂嘴(さし)です。砂嘴といってもなかなかピンときませんが、写真のような地形です。

砂嘴は英語ではスピットと呼ばれ、ウクライナのアラバト・スピットは110㎞の延長で世界最長です。シアトルの近郊にあるオリンピック半島にもダンジネス砂嘴があり、以前訪問した際はアザラシの赤ちゃんが日向ぼっこしていました。

オリンピック半島・ダンジネススピット

ダンジネススピットの子アザラシ

野付湾は尾岱沼とも言われます。湾口の幅約3km、湾内の最大幅は約6km、奥行きは約5km、湾内の水深は最深部で約4mと浅いです。湾内ではアマモが茂り、冬場は湾内海が凍結します。凍結した海を渡る鹿の群れをみることもできます。広い海が凍り平らで広大な白い平原が現れるので、氷平線と呼ばれています。半島からは国後島や知床連山の景色を見ることができます。

氷の上を渡るエゾジカの群れ

凍り付いた野付湾(尾岱沼)

野付からの羅臼岳(夏)

野付からの国後島(夏)

野付には国指定特別鳥獣保護区があり、1962年(昭和37年)には野付風蓮北海道立自然公園に指定されています。2004年(平成16年)には北海道遺産に、2005年(平成17年)にはラムサール条約湿地に指定されています。

立ち枯れの風景「トドワラ」や「ナラワラ」といった景勝地があり、特異な地形と植生から年間を通して多くの野鳥が訪れます。夏には、タンチョウやベニマシコ、オオジュリンといった小鳥が繁殖のために集まります。冬には猛禽類のオオワシも飛来します。2020-2021シーズンにはハクトウワシも来訪していたようで、バードウォッチャーには人気の場所です。日本で観察されている鳥の約40%にあたる250種類以上の野鳥が観察されています。オジロワシ(天然記念物)は1年中、タンチョウ(天然記念物:3月上旬から11月中旬)、オオワシ(天然記念物:10月下旬~4月下旬)、コクガン(4月下旬から5月下旬、10月中旬から11月下旬)、アカアシシギ(5月中旬から7月下旬)、コミミズク(12月下旬から1月下旬)、オオハクチョウ(3月下旬から5月下旬、10月下旬から11月下旬)に見ることができるようです。

オオワシ

オジロワシ

流木の陰で強風を避けるオオワシ

エゾシカ、キタキツネ、オコジョ、イイズナ、ヤチネズミなどが生息し、半島周辺の海域にはゴマフアザラシ、ネズミイルカ、カマイルカ、ミンククジラなどが現れるそうです。2021年3月訪問時には、エゾジカ2頭の角が同じ漁具に絡まり大変なことになっていました。ネイチャーセンターの方に相談しましたが、どうしようもないとのことでした。

2頭の角が漁網に絡まってしまったエゾジカ

夏のエゾジカ

冬場は野付湾内が凍り、伝統漁の氷下待網漁がおこなわれています。湾内は水深が浅いためアマモが育ち、魚介類が豊富です。ホッカイエビ(ホッカイシマエビ)の漁がおこなわれています。

半島の反対側には尾岱沼港があります。尾岱沼港までは凍らないようで、この漁港ではホタテ漁が盛んだそうです。港の食堂「白帆」には、シマエビ丼とホタテ丼が名物として提供されていました。尾岱沼はオオハクチョウの渡来地としても有名です。道の駅尾岱沼には、北方領土に呼びかける像があります。尾岱沼の厳冬期の朝、条件が整えば光の屈折で稀に「四角い太陽」を観測することができるそうです。

尾岱沼港から野付湾が結氷している境が見える

尾岱沼のオオハクチョウ

銅像

名物のホタテ丼